
【目的及び事業】
この法人は、日本及びスリランカの国民に対して、ガス産業及び、その関連分野の学理と技術交流を踏まえた情報提供活動、並びにガス産業の普及・拡大にむけた幅広い活動を行うことにより、安全・安心な社会の構築及び国際協力の活動の推進に寄与することを目的とする。
目的を達成するための活動と事業
・活動 1.国際協力の活動
2.上記に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
・事業 1.日本及びスリランカの両国間におけるガス産業関する情報の収集及び提供
2.スリランカに対する日本のガス産業に関する技術提供事業
3.その他、この法人の目的を達成するために必要な事業
【スリランカ情報】
1.スリランカ国のガス企業は、次の最大手2社である。
出典:スリランカ国のLPガス事情 実態調査視察団報告(JSGA企画)
●LITRO GAS LANKA LTD
スリランカ国、LPガス供給トップシェア(約73%)の国営会社(約99%国が出資)である。
< LPGは、95%輸入、輸入元は、近くのアジア(シンガポール、タイ等)>
a) 年間消費量 約 326,000t/年 [一般消費(小・中規模)73%、商業9%、工業18%]
b) 毎日の容器充填本数 約65,000本/日
c) 各州への配送
・ 工業用企業には、タンクローリにて配送
・ 一般消費者には、容器を満載したトレーラにて配送
販売会社を経由して、小型トラック又は自転車等で配送 [需要先:57%は、都市部]
d) 容器への充填、配送、販売の各企業(卸会社 35社、 販売会社 7,500社)
e) 約 1,600万世帯の内
・ LPガス使用 = 約 600万 世帯(35%)
・ 薪 使用 = 約1,000万 世帯(65%)
f) LPガスの消費量の前年度との比較では(伸び率)、毎年 約14%~17%で推移している。
現状を踏まえたLITRO GASの方針
・ ビジネス関係者及び観光客の増加等に伴うLPガスの消費量の拡大動向を背景に、年間のLP
ガス輸入量が、毎年、約20%の市場拡大が見込まれている状況を踏まえて、「公共企業省」
配下の国営会社としてLPG基地の拡張や新設に関心を示している。
また、バルク供給システムによる配送網の改善に強い関心を持っている。(中堅消費者対象)
テストケースとしてコロンボ近郊エリアを選定した上で、JICAの海外展開支援事業の支援
(「案件調査」及び 「普及・実証事業」)を得た上で望みたい。
・ スリランカ政府の意向に沿ってLPガス市場、及びLPガス関連インフラへの投資を積極的に
進めている。
g) LPG/LNG発電を活用したい。(発電量 5~20MW)
日本のメーカーで興味があれば、スリランカ政府と調整をとる。
●LAUGFS HOLDINGS LTD
スリランカ国では、LITRO GASに次ぐ、LPガス供給(約27%)の民間会社である。
なお、LPガス供給のみならず民間企業の活力を活かした多角化事業を手がけている。
・ 年間消費量 約 15,000t/年[一般消費(小・中規模)50%、商業21%、工業29%]
なお、営業戦略として大口消費者への市場拡大を実行(力を入れている。)
・ 容器への充填、配送、販売会社(6,500社)
・ バングラデシュのLPガス会社(3位規模)を買収しバングラデシュ国内で事業を展開している。
・ 再生エネルギー事業、及び ガソリンスタンド事業
・ 不動産事業、船舶物流事業、及び 水力発電事業
・ コンビニ・スーパー事業、及び ホテル経営事業
2.スリランカ大統領選(2019年11月16日)でゴタバヤ・ラージャパクサ氏が当選
出典:JETROビジネス短信 他
1)ゴタバヤ・ラージャパクサ新大統領は公約どおり、兄マヒンダを首相に任命しスリランカ史上初
の大統領と首相が兄弟という政権が発足した。
2)今回、ラージャパクサ兄弟による足並みが揃った政権運営により、大型のインフラプロジェクト
等が、前に進みやすくなのではないかとみるビジネス関係者もいる。
3)外交
基本的に非同盟中立であり、バランス外交の重要性を認識し、特にインドとの関係強化を重視
している。
4)新政権の課題
・ マヒンダ新首相は、前大統領時代の成果が一因で、前回2015年大統領選に敗北した経緯から
『中国一辺倒でない全方位的な関係構築』に留意していく可能性がある。
・ 今後は、国民の支持を持続させながら、適切な経済政策によって、外国投資家の信頼獲得、輸出
拡大のための企業誘致など推進することを迫られる。
・ テロ後の「安全保障の立て直し」及び 地理学的重要性を考慮して
「インド市場へのアクセスも踏まえ、更なる経済成長の潜在性を重視」している。
3.「自由で開かれたインド太平洋」に向けた日本の取組が期待されている。 (外務省ホームページ)